人口減少に立ち向かう県民行動会議ワークショップ開催報告(令和2年1月13日(月))

去る1月13日「県民行動」を主題としたワークショップを開催しました。
当日は秋田市から1名、横手市から1名、由利本荘市から21名の方々が参加されました。

○前段

まず、秋田県の人口減少の構造について自然減、社会減の数字により学びました。

次に、県内市町村で合計特殊出生率が比較的高い市町村と低い市町村について、経済、人口、出産や子育て支援、コミュニティの結束度などを示す数値との相関関係を示した調査結果に現地フィールドワークにより社会学的な考察も加味した形でその違いについて説明をしました。

次に、わたくしが人口減少対策について政務調査活動を行った中から、一般質問でとりあげた、人が集まり離職率が低い富山県のある企業、県内の企業について、理念、ビジョン、人を大切にし、生かす諸制度の実行そして業績について報告いたしました。

総合戦略素案については、12月18日に総括審査で質問した内容について録画で見ていただきました。
一言で申しますと、若者が残る、戻るなどための諸対策の主人公は県民である。総合戦略の内容について現場で県民と共有し具体の行動が拡大していくような内容にすべきであるという主張です。知事は部長たちを現場に出して県民と語り合う場をつくると答弁されました。

○後段=ワークショップのメイン

出席者お一人お一人から「このような行動をしてきた」「このような行動から始めたい」と活発な発表がありました。総合戦略素案に対する意見もありました。
以下皆様が発表された「行動」の要旨を紹介いたします。

全国チェーンの店舗が来てから、当店はインターネットで注文を受けサービスを提供するビジネスモデルを実践している。これは外貨を稼ぐ取り組みで地元消費者に加え、外にも販売する「非基盤業種の基盤業種化戦略」が必要。

一方、地元消費者の方も地産地消の取り組みを行うべきであるとのご意見もありました。

小学生の段階から職業体験を提供しているが、今後は中学生に対して異業種で行っている地元企業ガイダンスと連携したい。
地元には非日常的な素晴らしいスポットがたくさんある。そうした場所を宣伝している。

人が多いところに人が集まる、お金があるところにお金が集まる。そうした仕組みを変えることができないか。皆さんと考えていきたい。
人口減少が進んでいるが、地域コミュニティとして人を呼び込むイベントや特産品販売、音楽イベントを継続していきたい。
共助の仕組みづくり、実践拡大に取り組んで来た。人口減少が進み市民の行政への見る目も厳しくなった。現場で結果が出るような活動が必要である。
オール秋田で取り組むことは良いと思うが、県民行動を支援するため県庁の各部署が連携できなければ成果につながらないだろう。
自分は高齢者の主体的な社会参加のため、インターバル速歩、アクティビティの場づくりを進めたい。

大学で中高生の居場所づくりを研究している。ワイガヤしながら学べる場所が必要だ。
高校生等の起業体験のプログラムを実践している。ビジネスプラン、組織づくり、実践、解散まで体験してもらう。こうしたことから、将来の新たな産業の芽を発掘し育てていきたい。
まずは自治会の伝統行事やスポーツイベントに参加することから始めたい。
そしてジオサイトめぐりをしてSNSで宣伝したい。

フラダンスに取り組んでいる。フラは地殻変動など自然の営みを人間が神話化したことから始まった。
わたくしたちの自然の代表である鳥海山をテーマに、自分たちのためのフラから、フラを通じて人が由利本荘市に集まる、地域貢献を目指しイベントを実施している。

男女共同参画の取り組みを20年にわたって行っている。最近は少子化の進展もあり、企業も真剣さを帯びて取り組むようになったと考えている。こうした場があって良かった。
介護保険制度が始まる前、地域つくりの意見交換をし、計画を立て10年間高齢者宅へ弁当の宅配を行なってきた。子どもたちを対象に地産地消のイベントを実践してきたが、最近は男性の参加も見られるようになった。
社会福祉協議会は介護保険、地域福祉の事業をしているが、子どもたちに知られていない。先程の地元企業説明会に参加すべき。
活動団体の紹介やコーデネート、育成も広げたい。

共助の取り組みをいきなり新たな仕組みとして行わなくとも、身近なところで実践されている様々な方々の小さな行動に意義を認めるところからはじめたい。
発酵食の開発普及と空手をしている。インバウンドの話もあったが、空手を習いにくる外国人が食文化に興味を持って、ウチにくる。そうした部分に取り組んでいきたい。
増えつつある外国人の居住環境、共生などトータルな仕組み、支援の仕組みが必要である。

○ワークショップを終えて

今回のワークショップで出された意見を踏まえ、やはり人口減少社会の課題解決を考えると、県民の皆様は主人公として行動する主体であり、そうした強い意思とつながる総合戦略が必要と考えました。
1月20日期限のパブリックコメントとして、小野が県にそのような意見を提出しました。

○さっそくコラボも

このワークショップで新たに出会った方々同士で、あるイベントへの協力のための作戦会議が開かれたそうです。
次回開催の要望も出されました。
なお、ワークショップとは別に3月29日に地域づくりと社会的健康をテーマとした公開セミナーを開催する予定です。長くなりました。