令和6年5月30日(木)〜5月31日(金)活動報告

この期間、秋田県産農産物・加工品の台湾への輸出拡大のための市場調査及び販売促進活動をしてまいりました。
県、 JA、全農インターナショナル、三菱商事秋田支店、台湾三菱商事、秋田銀行地域商社・詩国秋田、 J F C(キッコーマン )、上寛有限公司、阪急交通社様にご協力いただき、次の極めて意義深い成果を得ることができました。
・台湾の方々の日本産農産物加工品へのニーズ
・成果物の農薬規制
・加工品の一次、二次、三次原料の公開
・検査期間と賞味期限
・台湾で実際売られている商品=大仙市トマトジュース、横手市焼肉タレ、秋田県産あきたこまち、サキホコレ、糀加工品、きりたんぽ、いぶりがっこ、稲庭うどん、秋田牛などの評価
・秋田県産の農産物加工品の販路拡大の可能性と取り組むべき課題
このほか、台湾三菱商事様からご紹介いただいた台湾の米卸の方と面談。令和6年産サキホコレを非常に高く評価いただき是非欲しいとご要望をいただきました。

その要望を実現するため、
6月5日、県庁の関係各課と協議しました。
6月7日、三菱商事秋田支店を訪問。商談内容を報告。具体的な商流について社内検討をしていただくことにしました。
まだ、台湾市場調査については詳細な報告書を作成中です。
農家の収入アップ、そして台湾の方々と秋田県民とのビジネスや観光の双方向交流を前進させるため、全力を上げてまいります。

○5月30日(木)

インターバル速歩

7時55分から
倉庫にて
しばし別れの田んぼ薬師かな

午前

東由利→本荘

□台湾行き準備
訪問先向けお土産購入(本荘地区菓子店にて)

午前

東由利→秋田空港

□12時集合
諸手続き実施

□秋田空港出発
13時50分

午後

台湾桃園国際到着

16時30分

□旅行会社のガイドの方(台湾人)からの聞き取り
空港からホテルまでの車中にて
○台湾の方々は日本又は秋田県のどんな料理が好きですか?

・秋田のキリタンポ美味しい。比内地鶏は名古屋コーチンより美味しい。
・秋田県のお米は美味しいが台湾人は冷めたご飯を敬遠する。ご飯は熱くならないと美味しくない。
・日本のデザート甘すぎる。台湾料理は油を使うからデザート甘くない。
・日本の味噌汁塩辛い。薄い味噌汁がよい。
・お刺身あまり食べない。半分の人は生のものを鍋に入れて食べる。
以上全ての台湾の皆様の共通ご意見ではないようです。
○台湾の方々の旅行熱について
コロナ禍明けて半年で急に熱心になってきた。日本に行く人多い。京都、大阪、東京が多く、回数を重ねると秋田など地方へ。秋田県は桜が有名。

午後

ホテル到着(台北市内)

18時頃

午後

○5月31日(金)

市場調査及び販路拡大活動1

9時20分ホテル発

□ J A全農台湾
10時から11時 福島義規 様
○ご説明内容
◾️台湾の日本産食品市場について

1 台湾の概要
面積   36,191平方km(九州とほぼ同じ)
人口   2,342万人(2024年1月)
主な都市 台北市・新北市 651万人
     台中市 283万人
     高雄市 273万人
通貨   ニュー台湾ドル(台湾元)
     元を円に換算するには5倍する
在留邦人 21,102人(2023年10月)

2 台湾の気候
・北部の冬は10℃台の気温になり、肌寒い。夏の暑さは東京と同じくらい。
・冬場は鍋材料の売り上げが増える。
・南部は熱帯に属し、冬でも気温が高い。

3 農林水産物・食品の輸出額(2023年)
・台湾はアメリカに次いで第4位の有望な輸出国
・台湾は親日派の人が多くいろんな日本産のものを食べてみたい。買ってみたいという方々が多い。
1位 中華人民共和国 2371億円 前年比▲14.8%
2位 香港      2365億円   +13.4%
3位 アメリカ合衆国 2062億円   +6.4%
4位 台湾      1532億円   +2.9%
5位 大韓民国     761億円  +14.1%
・台湾への輸出額は10年前2013年は735億円。
・10年で108%の伸び。
・2023年1532億円輸出額の内訳は次のとおり。
加工品       612億円 40%
水産物調製品以外  230億円 15.0%
野菜果物      213億円 13.9%
畜産品       124億円 8.1%
水産物調製品    100億円 6.5%
穀物等        73億円 4.7%
林産物        41億円 2.7%
その他
農産物        139億円 9.1%
以上のうちこの度の市場調査のターゲットである農産物・加工品でまとめると1161億円、75.8%となる。

2023年台湾への輸出上位品目(日本全体)
1位 アルコール飲料   135億円
2位 りんご       111億円
3位 ホタテ貝(生鮮等) 100億円
4位 牛肉        95億円
5位 ソース混合調味料  78億円
6位 清涼飲料水     41億円
7位 菓子(米菓除く)  39億円
8位 ぶどう       28億円
9位 ペットフード    26億円
10位 キャビア及び代用物 26億円
・りんごの輸出額が多い。
・果実はそのほか、ぶどう、桃、梨、いちご、みかんなど。
・アルコール類の輸出額も多い。
・牛肉は2017年に輸入再開され増加してきた。

4 台湾に青果物を輸出する際の注意点①
 農薬規制への対応
・日本と台湾では農薬規制が異なるため、日本国内の規制に沿っていても、台湾輸入時の検査で不合格になれば廃棄処分のリスク
・不合格事案は輸出社名・輸入者名とともにネットで公開
・そのため、台湾の農薬規制に沿って栽培する産地からの輸入(いちご、みかん等)
・あるいは、農薬リスクの低い品目を輸入(ながいも等)
・いずれにしても不合格の可能性があり、事前に販売先に説明を要する。
・農作物を原料としたパウダーやペースト等も規制対象となる。
・カップ麺のかやくから農薬成分が検出され、廃棄処分となる事例もある。

4 台湾に青果物を輸出する際の注意点②
 害虫規制への対応
・台湾での検疫により、規制対象の害虫が発見された場合、燻蒸または廃棄となる。
・燻蒸の場合、その後の販売は可能だが、食味が落ちる。

・産地での適切な防除(残留農薬に注意)
・輸出時に適切な防除作業を実施
・りんご、なし、すももは生産園地と選果梱包施設の登録が必要
・台湾での検疫で「モモシンクイガ」が発見された場合
→1回目 当該都道府県からの輸出停止
→2回目 日本全国からの輸出停止
○ポイント説明
・人気があるのはりんご。青森産が多い。青森産が多いのはC A貯蔵と言って大気をコントロールして周年供給ができるため。
・品種で言うと秋田の紅あかりがすごく好きだが、供給される期間がそんなに長期ではない。どうしても長期に売れる青森産が多くなる。
・対輸出額台湾は年々増加しポテンシャルがある。
・昨年はりんごが1位でなくなった。アルコールが1位になった。その理由が不作。農作物は天候に影響を受ける。アルコールは日本酒中心に酎ハイが伸びた。
・日本酒、酎ハイなど甘いものが若い人に受けるのでアルコール飲料が伸びている。
・牛肉も和牛が人気。順調に伸びている。
・青果物はわたくしたちもっと売りたいが、日本と台湾は農薬規制が異なる。これでもし不合格、超過事案になれば廃棄処分になる。情報も公表されてしまう。2回目以降はさらに厳しい措置をとられてしまう。
・わたくしたちも産地にお願いして台湾にあった農薬基準の栽培お願いしているが、どうしても気温が高いと虫が発生して特に農薬を撒いたりしてしまいましたという事案が発生し台湾に輸出できなくなる。
・青果物はほんとにいちご、みかんなどいっぱいニーズがあるが産地が台湾のニーズに十分応えきれていない。

5 新たな加工食品を輸入する場合の流れと留意点
①商品規格書・サンプルとりよせ
       ↓
②規制されている物質などが使用されていないか。
原料のさらに原料に遡って「展開」が必要。
・添加物(酸味料や着色料など)物質名まで
使用割合や使用用途の確認をする場合も。
・菌の種類や植物の学名を要する場合も。
→輸入可否の判断に時間を要する。
       ↓
③関税率の確認、見積もり作成し、販売先へ提案
       ↓
④輸入することになった商品の糖分・脂肪酸分析
販売先の求めにより、重金属や細菌等の検査も。
○ポイント説明
・加工品も上記のように課題がある。
・原料のさらなる原料に遡って展開しなければならない。日本では一括表示が認められているので詳細を報告しなくても良いが台湾では全て展開、開いて、開いて。一次原料、二次原料、三次原料を報告。菌の種類、学名まで求められる場合がある。
・これを産地が対応できるかで苦労する。
・ビタミンとか乳化剤とか。台湾ではそれだけではだめど乳化剤だったらどんなものを使用しているか、原材料と添加物の比率を求められる。
・添加物メーカーが比率を公表しない場合があり、そのメーカーの添加物を使っては台湾に輸出できない。
・秋田県の大仙市のトマトジュース、横手市のソースを販売しているが、クリアしている。
・台湾と日本では表示のルールが違う。日本は5大栄養素だが、台湾は7つある。そのため、台湾では一回成分分析しなくてはならない。その結果を表示するラベルをつくらなくてはならない。
・1回検査してラベル作るのに15万円かかる。
・試験的に販売してみるというのは金銭的リスクがある。

6 発注から輸入、通関までの流れ
①日本側へ発注
   ↓
1から2週間
②メーカーにより輸出港(横浜港等)に納品
   ↓
1週間
③輸出港を出港
   ↓
4〜5日
④台湾(基隆港等)に到着
   ↓
⑤税関検査、 FDA(食品薬物管理署)検査で引き取りまで経験上1ヶ月(場合によればそれ以上2ヶ月とか)かかる。
○台湾に加工品を輸出するためには賞味期限が1年のもの必要
・上記のように、日本から台湾にきて通関手続き終えると3カ月過ぎてしまう。
・台湾の小売も日本と同様賞味期限の2分の1ルールがあり、賞味期限が6ヶ月だと販売を始める時点で賞味期限の半分が過ぎてしまっているため、販売できない。
・従って、加工品の場合には、先程の成分の展開ができること、賞味期限が1年あることを求めている。

7 全農直営店じゃじゃ視察
・あきたこまちの真空パックが1.5キロ299元で販売されていた。299元を300元として円に換算すれば、5倍=1.5キロ1500円。
・駐在員の奥さん方に人気。
・横手市のシバタの焼肉ソース
・大仙市のトマトジュースが販売されていた。

○まとめ
・台湾は親日の方々が多く日本産の食へのニーズがすごくある。
・一方で青果物は残留農薬規制、害虫規制、加工品は原材料規制と賞味期限の制約があり、まだまだ対応しきれていない。
・秋田県産秋田こまちのニーズは結構高い。わたしが今年北京から赴任してから新規取引先が40件。
・お寿司屋さんだ。台湾産のお米から日本産のお米に切り替えたいというニーズだ。秋田県産の秋田こまちが一番良かったそうだ。
・スーパーに行くと日本産のお米はたくさんある。台湾のお米もあるので、スーパーでの販売より外食への営業を強化している。
・和牛は牛肉が解禁されてから皆さん営業を頑張ったのでかなり浸透している。和牛を伸ばすときには外食の新規店がオープンしたときに一緒に組んで少しずつ伸ばしている。
・直営店で販売していた大仙市のトマトジュースは大量に売れるわけではないが、健康のためトマトジュースを飲んでみようという一定の人がおり、定期的に売れている。追加発注もある。
・小野一彦解説→その後カルフールの高級スーパーミヤセボンや桃園市のTSUTAYAカフェでも大仙市トマトジュースが販売されていた。
・ミヤセボンでは日本産の青果物を売りつつそのジュースやゼリーなどの加工品を売っている。
・日本と歴史・文化的にも近い台湾では多くの日本産農産物・加工食品が消費され、そのニーズがますます高まっている。
・そのニーズに対応し販路拡大をするためにも規制クリアへの産地への支援が必要と考える。

午前

市場調査及び販路拡大活動2

□ J FC (キッコーマン 傘下の食品卸会社)
 加藤様
14時から15時

○会社概要
・キッコーマン の中の海外事業部に属する。
・25カ国50ヶ所に拠点をもった国際的問屋ネットワーク。
・台湾は2016年にアジア職人という台湾の会社と合弁の会社を設立した。
・自社の倉庫、トラックを有し問屋業をやっている。
・売り上げの構成比でいうと業務用が9割、小売用が1割。
・お客様は主に、日系の飲食店だが、中には日本から進出された回転寿司のチェーンやラーメン屋のチェーンもあるし、台湾の方が起業し経営している小規模の飲食店もある。
・今約1200軒のお客様と商売をしている。
・小売の部門では日系のドンキホーテさんとか去年1月に進出されたロピアさんはじめ、台湾系のカルフールさん、ミヤセボンさんと取引をしている。
・秋田県に限定については、弊社のような総合問屋はなかなか県を絞っての特産品の取り扱いは多くない。
・どちらかというと幅広く使っていただける汎用性のある醤油、味噌などの基礎調味料を扱っている。
・今までの例だと、醤油だとキッコーマン マンやヒガシマル醤油など日本でも全国規模で展開しているメーカーの商品の優先順位が高くなる。
・その理由は、生産能力であったり、海外輸出するにあたり商品に関するいろんな細かい情報が求められる。
・特に台湾では商品の一次原材料、二次元材料、三次元材料、由来、原産国等の細かい情報を求められることが多いが、そうしたことに対応いただくとなると、輸出経験を持っているなどの企業の方がやりやすい。そうしたメーカーの商品が優先されてしまう。
・あと土地のもの(地方?)となるとどうしても価格が割高傾向になってしまうことも原因の一つ。
・特に台湾では関税が高い。例えばアメリカだと平均して5%から6%の関税が課されているが、台湾は基礎調味料で15%、水産品で30%、小麦製品でも20%かかる。

○台湾の方々の消費志向
・輸入業者にとっては非常に厳しい環境となっている。ただその反面、台湾の方は日本を大好き。
・日本産品に対する購買力が非常に高い。
・多少高くても購入をしてくれる。
・購買力平価を見ても日本より高い。世帯毎の可処分所得が高いと思う。
・台湾は関税高い。アメリカは輸入関税は5%だが、台湾は共働きか普通で、若い夫婦とその父母が暮らす場合、稼ぎ口が4つあり一つの家に住んでいるとなるとやはり可処分所得は高い。
・あとは台湾は相対的に生活インフラが安い。水道、電気、ガス、公共交通機関の対価が日本と比べても割安。
・GDPでは日本が大きいが台湾の方々がお金を使っていただいている。
・したがって、コロナが明けて渡航規制が完全になくなったのが去年の8月。まだ一年経過していないが、うちの社員でも日本に旅行に行った人が4、5人。
・ラーメン店でも、最近では20%程物価は上がっているが、250元から300元位。一風堂、山頭火、ウルトララーメン、確か錦ラーメンさん秋田県だと思うが、為替5円で計算すると1500円。
・そういったお店が繁盛している。
・そのように日本のものが親日でポテンシャルが高い。

○コロナ禍が明けた消費活動
・特に今は、直近では60万人近くの方が毎月日本に行っている。少なく見積もっても。台湾の人口が2400万人なので400人に1人は毎月日本に行っている。
・おそらく観光資源をたくさん持っている県はうるおっていると思う。
・弊社の商売でいうと渡航規制解禁になった際に、
コロナの時の方が良かったが、何故ならば、日本好きな人が日本に行けない。何とかして日本を感じたい。
・日本食レストランへ行こう。日本のものを買おう。そういった動きがあった。特に台湾はコロナの押さえ込みに成功した国。実際に飲食店ロックダウンがしたのもコロナ3年間半のうち、3ヶ月だけ。
・その後は消費が旺盛になり今まで香港シンガポールで事業をしていた富裕層が台湾に戻って来られ、他の国に行けない。お金と時間は余っている。どうしようか。じゃあ、日本食を食べに行こう。
・ミシュランの星がつく高級店も予約とれないような状況が続いていたが、コロナが終わり、皆さんこぞって日本へ行って消費されているのと、特に円安で台湾で売っている日本のものを買うのは割高だと感じ、小売店でも前年比20%位、レストランでも15%位下回っている。

○秋田県の特産品販売
・秋田県が一番台湾向けの市場開拓に努力されている。秋田食産という会社が台湾に事務所を持ち、ずっと長いことプロモーション活動をしていた。
・コロナが始まった位に撤退された。非常に活動をたくさんされていた県。
・その時ご紹介いただいたのが 
 いぶりがっこ
きりたんぽ
 じゅんさい
 稲庭うどん
です。
・その4つの軸で毎回毎回案内されていた。
・弊社は今、いぶりがっこ、稲庭うどん、きりたんぽを輸入して販売している。
・いぶりがっこに関しては、居酒屋、業務レストラン、きりたんぽも、稲庭うどんも同様。
・まだ残念ながらコンテナでの取引には至ってない。

○いぶりがっこがブレイクしたのは?
・秋田食産さんが非常に頑張って来られ、いぶりがっこがブレイクしたのが、今までは商談会や展示会でやっていたが、なかなか消費につながらなかった。
・ある時、ABCクッキングという料理教室とプロモーションを行い、いぶりがっこときりたんぽを持ち込んで会員さんに告知をした。
         ↓
・この秋田の食材を使ったメニューを一緒につくりましょう!と50人位の生徒さんを集めて食材の料理を作った。
・あっ!これはこんなに美味しんだ!これはどこで買えるのか?となり、会員さんに買っていただくというムーブメントが起きた。
・そんな量多くないが、今まであまり売れていなかったものが、月200本位売れてきた。
・ところがいぶりがっこも生産がなかなか難しいようで、いぶりがっこにするサイズのダイコンが少なくなった。
・市場が消滅したわけではらないが、大きな市場が優先されてわたくしの方では、市場あとまわしにされており、手に入りにくくなっている。

○その他秋田県産品の状況
・最近は高級料理店でじゅんさいをたまに見かける。
・じゅんさいは説明が難しい。
・稲庭うどんは、金子はんのすけという天丼チェーンがあるが、台湾に進出され、セットのうどんとして使っていただいている。
・あとは居酒屋で使っている。
・秋田だと、りんご。リンゴジュースを台湾の方々が好きで、いっとき青森のイメージが強く、一世を風靡していて、弊社は取り扱わないが、市場に出ると日本のリンゴジュースは比較的多く売れている。

○コメ市場
・台湾は輸入割当制があり、年間10万トンの輸入枠があり、これを入札して買う。
・その枠外でも輸入できるが、1キロあたり29元の輸入関税かかる。かなり高い。
・入札すれば10元、12元の関税で済む。
・弊社では業務用の日本のブレンド米を特定のお客様のご要望をいただき、今、年間1000トン位輸入している。
・秋田こまちでなく、全農パールライスがブレンドされたもの。
・これを回転寿司店に出している。

○日本酒の市場
・日本酒はものすごい量が輸入されている。
・わたし、9年いるが、たくさん輸入されているがどこで消費されているかわからない。秋田県だけでなく様々な県から輸入されている。
・お酒の展示会があると40社位がブースを出して、自分の代理店で出している。
・地元のスーパーに行っても皆さん見たことないような全国津々浦々のお酒が並んでいる。
・日本酒は1か国1社という不文律があり、例えば秋田の酒蔵さんだと台湾はA社にお願いしているから、例えば輸入したいと申し出ても断られれケースが多い。
・弊社でも4つの酒蔵のものを扱っているが、市場に投入しても差別化が難しい。
・皆さん、ワインを買うときにどうやって選んだら良いかわからない。といのと同じ状況。
・やはりそうなると、獺祭、十四代、くぼた、などの有名銘柄に消費が偏っている。

○台湾で自分の県のものをどうやって売れば良いか?
・日本で有名になったら、これは一番手っ取り早い。
・経済産業省、農林水産省で、「外に出て行ったら使っていいですよ」、それだけたくさんの予算があり、みんなこぞって使い道を探している感じがする。
・あれはどちらかと言うと外で使わなければならない印象を受けるが、日本で有名になれば台湾の方々はテレビ番組、旅行、Instagramを通じて日本の情報は常に察知している。そのような方々が多い。
・日本で有名になるとすぐあれはどこで買えるか?
となる。日本で有名になることはなか難しいが一番の近道。
・台湾の人々が秋田といえばいぶりがっこ、というまではなっていない。
・あと台湾の方々は鍋が大好き。秋田の鍋料理を提案された方が良い。
・きりたんぽなど。
・秋田産の秋田こまちは?
・輸入されついるが、まだ台湾の中では、コメに関してはまだ日本米という一括りかな。
・もしかするとコシヒカリといえばピンとくるかもしれないが、まだそこまでこだわりはないのではないか。
・わたし( J F Cの台湾人社員の方)周りの台湾人たちが日本米の品質が良いというイメージが強い
が、10人のうち、2人位、コシヒカリを知っている。個人的な意見ですが。
・秋田こまちは多分知らないのではないか。
・ただスーパーに行くといろんな銘柄があるが、富裕層が今度はこちらのお米を食べてみよう、とか、旅行で行ったことがあるとか。そういったキーワードで選択されているのではないか。
・海外から秋田県に来たときに秋田こまちを表示して食べてもらい、帰国してからリマインドで日本米でなく、「秋田こまち」を食べているという戦略はありと思う。
・あと、台湾の方々はストーリーが好き。何故こんなネーミングになったのか。
・どんな手間暇をかけているか。
・何々と違う。
・高級レストランへいくとシャフの写真がある。台湾の方々に限らず、よく読んでいる。
・きりたんぽに関して中身の具材とか売り上げが伸びる余地があるか?
→あると思うが、米製品であり、関税がかかる。
・入札していれば安い。自分が落とした例えば10トンの使わなくてもそのぶん払わなくてはならない。
・一般の輸入者はきりたんぽのためにキロ当たり29円の関税かかる。また、相対的に常温流通のものが多いが賞味期限6ヶ月。
・台湾は輸入制限厳しく通関に時間がかかる。弊社は1つのコンテナにいろんな県からものを送り、150種類の商品を入れて持ってくるが、大体10アイテム位検査の対象となる。
・検査が終わり販売して良いとなるまで、1.5ヶ月。
時間を要する。日本でも輸出の準備かかるから、2ヶ月かかる。メーカーも注文して今から作るではなく、国内流通の段階が多い。
・賞味期限6ヶ月なのに3ヶ月過ぎていると小売店でも売りにくい。
・レストランで使う場合も日本と同じ、賞味期限=消費期限の認識。賞味期限内に使ってもらうとなれば問屋としても売りにくい。
・わたしども輸入しているが賞味期限切れて廃棄しなければならない。の繰り返し。
・鍋の具材としては一番良い。
・あとは台湾で焼き鳥屋が増えており、そこで串にさしたもの焼いていただいて提供は可能。お米自体は好きですので。
・冷凍も良いが、半年くらいもたない。国内のきりたんぽ業者が冷凍設備を持ったりする必要ある。
・佐藤養助さん、台湾にお店にあったが秋田の食材を使ってアンテナショップやっていた。
・錦ラーメンのウルトラ。5店舗。進出以来スープを提供させていただいている。
・スーパーまーで棚買いをして好きなものを置かせてもらう契約もある。
・単発の物産展や商談会はその時に輸入者決まっている訳でもない。そこから輸入規制、賞味期限があり、そこから買いますにはならない。
・そこにからめてスーパー一角を借りて一定期間おく。一朝一夕にはいかないだろうが。ブランドを覚えていく。
・弊社で扱っている焼酎でコンテナで輸入しているが、9年かけて月4回物産展参加、試供品配り、トラックにラッピングするなどして、セブンイレブンに常時扱ってもらうようになった。
・台湾は日本の商品が多いので競争が激しい。地に足をつけそれ位やらないとブランド化、販路拡大にはつながらない。
・秋田から沖縄に持って行くのに台湾に持っていくより金かかる。今は沖縄から台湾へ行く運賃の7割補助するという制度あるが、もっと金がかかるのではないか。
・小麦は北海道のもの。台湾はパンブーム。とは言えごく一部。日清製粉、昭和産業も輸入している。国産小麦は税の還付が受けられない。
・蕎麦粉、輸入して販売しているが、賞味期限4カ月。
・パックライスは?
・アイリスオオヤマ、韓国産のもの、台湾のものあるが、もっと普及すれば日本産のパックライスの味の良さ分かってもらい売れるかもしれない。
・値段が割高になるので。
・家で調理をあまりしない。ご飯をレンジで食べるとお惣菜どうするか?という話はある。
・少なくとも朝ごはんは作ってないかもしれない。
・通勤途中に朝ごはん屋さんから買って仕事に向かうが、夜は作る人多いかも。

午後

市場調査及び販路拡大活動3

16時〜17時
台湾三菱商事様事務所にて
台湾の米専門卸会社、楽米様からサキホコレを仕入れたいと強い要望が示されました。帰国後、県庁関係課室、三菱商事様及び取引先先であるミツハシライス様と打ち合わせを実施。現在、商談継続中です。
今回出張の最大の成果です。
以下台湾における意見交換会(商談)の要旨です。

○楽米様について
・台湾にてコメの卸及び一部直接消費者に販売している専門の会社
・三菱商事の取引先。この度の台湾での農産物市場調査及び販路拡大活動にあたり、三菱商事秋田支店様に農産物を扱われている同社の取引先をご紹介ください。と小野一彦依頼。

○経緯
1月13日  
三菱商事秋田支店吉田様ご来訪時に台湾における取引先ご紹介を依頼
5月8日
台湾三菱商事様、秋田支店様とオンラインの打ち合わせ 楽米様について情報提供。サキホコレに対するニーズを有する会社様であること。
→もし小野他が5月31日現地訪問した際、サキホコレを欲しいがどうか?とオファーがあった場合はどう対応すべきか。県庁関係課室長に相談。
→そのようなありがたいお話があった場合にはまず県庁関係課室に報告し、ご対応させていただくことを了解。
あわせて、しんせい農協様にも事前相談を実施。サキホコレに限らず、土づくり実証米の説明、シャインマスカットなど輸出一般への前向きな取り組み姿勢を教えていただく。
以上の事前活動を経てこの日(5月31日)を迎えました。
台湾三菱商事様には、楽米様をご紹介いただき、かつ、商談の場をご提供いただきました。
通訳もしていただきスムーズに話が進みました。

○楽米様との意見交換
楽米
・サキホコレの特徴として「もちもち感」があり柔らかいので台湾の消費者には非常にあう。
・台湾も日本と同様高温対策が必要な国であり、今後生産量や品質が落ちる懸念があるが、サキホコレは高温に強いコメと認識しており、サキホコレには非常に興味がある。
議員
・昨年、高温障害で一等米比率が落ちたが、サキホコレは一等米比率が98%だった。高温に強いコメである。
議員
・日本では全国で良食味米が開発され競争状態になっている。台湾の方々がコメを選ぶ際の基準は?
楽米
・台湾全体の消費者の40%位が日本産のコメか台湾産でもちょっと上のランクのコメを購買している。
・その人たちが一番重視しているのが「食感」であり、台湾で販売する際には先程の「もちもち感」のような食感を分析してアピールすべき。
・年齢別にいうと、台湾の消費者のうち、30歳代から45歳までの方々は日本産のコメや台湾の上位のコメへの受けが良い。
・2番目にネーミングも非常に大事。例えばひとめぼれは柔らかい感じがして良いと思う。サキホコレについてはまだ中国語のネーミングを考えていない。台湾のコメはこれまで、何とか何十番という形が多かったが、サキホコレに関しては他の日本産のコメのように魅力的な名前をつけ、消費者に覚えてもらいたいと考えている。
・台湾の女性は美への思いが強いので「つや姫」はネーミングでも注目されている。
・「姫」という感じで理解される。
・ところが、秋田こまちの「小町」はそれだけではわからない。
・サキホコレも「咲き誇れ」と漢字で書くとすると台湾では誤解される。「誇る」という感じは中国語では良い意味に使われない。「自慢する」的な意味。
・サキホコレは漢字でないので、漢字がないと台湾では理解が進まない。パッケージに日本語を書くのはデザイン的にありだが、必ず横に中国語の名前を入れないと皆んなが何かわからない。

○サキホコレを希望する 
・楽米様から6年産のサキホコレを購買したいとお申し出をいただき、5人の県議がそのお言葉を確かにお受けし、是非商談成立するよう取り組みたいと回答しました。

午後

○その後の動き
6月5日
・サキホコレの取引要望があったことを県庁関係課に伝える。楽米←三菱商事←ミツハシライス←全農秋田の商流が可能か。楽米様はいくらの量を望んでいるのか。確認することにした。

6月28日
・県庁秋田米ブランド推進室、県議(小野一彦、小山緑郎、児玉政明)、三菱商事秋田支店ご担当、三菱商事本社農産酪農部ご担当、ミツハシライスご担当でオンライン打ち合わせ会を実施
・ミツハシライス様は全農のお客様でもあり、三菱商事様のお客様でもあり商取引は何ら問題ない。
・秋田県としてもサキホコレが台湾市場にて取り引きされることはありがたい旨表明。
・今後、商談を進めることとした。
なお、県議は今後、全農秋田、三菱商事農産酪農部、ミツハシライスを訪問し、県民を代表して取り引きが円滑に進み農家の収入向上につながるよう御礼と要請を行うこととしました。
あわせて、楽米の代表者をチャーター便で秋田県にお招きし、県内のコメ生産者及び農協関係者との交流会を企画することにしました。
・時期は日本最大の農業イベント、種苗交換会の期間を想定。

7月2日
・以上の台湾での農産物市場調査及び販路拡大活動について、議会全体及び県庁内で共有し次につなげるため、小野一彦総括審査で取り上げました。